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2021-2022年度
​公益財団法人JKAの補助事業「ソフトロボティクスによる四肢の関節リハビリ運動システム開発」

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​図1 理学療法士による拇指関節リハビリ運動装置の評価

​図2 理学療法士による膝関節リハビリ運動装置の評価

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​図3 足関節リハビリ運動装置のユーザ試験

1.研究の概要

 2021年度および2022年度に,公益財団法人JKA機械振興補助事業「ソフトロボティクスによる四肢の関節リハビリ運動システム開発」による研究開発を実施しました.

​ 本事業では,装置の駆動源として空気圧ソフトアクチュエータを用いた手指関節,手関節(手首),肘関節,足関節,膝関節および股関節を対象としたリハビリ運動装置を試作し,健常者および高齢者を対象とした評価試験を行い,装置の有用性について検証しました.これらのリハビリ運動装置は,空気圧ソフトアクチュエータを手指,手の甲,足部などの人体に直接作用させることで複数の運動を行うことができる点が特長です.

 

 手指・手関節リハビリ運動装置は,拇指以外の4指のMP関節と手関節(手首)の屈曲と伸展運動の実現を試みました.肘関節リハビリ運動装置では,回内,回外運動を検討しました.膝関節および股関節リハビリ運動では,屈曲と伸展運動を検討しましたた.そして,足関節リハビリ運動装置では,底屈,背屈,回内,回外を検討しました.

 

2.研究の目的と背景


 現在日本は人口の減少,高齢化が進んでいます.高齢者は,けがや病気が原因で介護が必要になる場合が多く,理学療法士らによる継続的なリハビリテーション(以下,リハビリと略す)が必要です.しかし,リハビリを受けたくても十分なリハビリを受けることができない「リハビリ難民」と言われる人が増加しています.この問題の1つの理由として,リハビリの日数制限が考えられます.

 

 リハビリは,疾患別に1年間に受けられる日数が制限されており,それを超えると保険医療でリハビリを受けることができなくなります.この問題への対応として需要が高まっているのが,保険適用外の自費リハビリ施設です.自費リハビリ施設では,VR(仮想現実)やロボットを用いたリハビリが積極的に採用されているため,高齢化に伴いこれらの技術を用いたリハビリ装置の需要が高くなることが予想されます.


 このような背景を踏まえ本研究では,日常生活において重要な関節であり,かつ関節の中でも拘縮の発生頻度が高い手指関節,手関節(手首),肘関節,足関節,膝関節および股関節を対象にしたリハビリ運動装置を開発することを目的としています.本装置には,空気圧ソフトアクチュエータを用い,高い安全性と療法士の施術に近い柔らかく包み込むようなリハビリテーション動作の実現を目指しています.

 

 従来のリハビリ装置では困難であった複数の関節可動域訓練運動を,独自に開発した空気圧ソフトアクチュエータを用いることで実現し,利用者の社会および日常生活への早期復帰を支援することを目指しています.

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